碑文

此処に、われ等が恩讐を絶する日比両国の戦友百数十万の霊を慰むるための記念塔を立てる。悲しき歴史の運命について、われ等は、今日言うべき言葉もない。この儚なき民族の夢の影もなく消えていったあとに、祖国の難に殉じて倒れた魂の、声なき声をわれ等は心の底に聴く。希うところは、唯、この微かなる響きを透して、新しき民族の生命の芽生えんことのみである。愛情の最後の一滴を捧げつくして、佗しく滅びていった同胞の御霊よ。

此処に永恒をつらぬく悲しき思いを、世界平和を築く壮厳なる理想と抱員に托して、こころしづかに眠れよかし。

撰文 尾崎士郎

バギオ英霊追悼碑 由来

 この英霊追悼碑は、昭和48年(1973)2月11日、日本側バギオ碑奉賛会とフィリピン側バギオライオンズクラブ の建立実行委員会が建立したもので、以来比島戦没者慰霊会が維持管理をつづけ、平成8年(1996)年3月より在バギオ財団法人北ルソン比日基金が、比島戦没者慰霊会の委託を受け維持管理され現在に至っております。フィリピン共和国内に数多くある追悼碑の中でも、民間組織である比島戦没者慰霊会が建立以来維持管理をしてきたフィリピン共和国内では、最も整備された英霊追悼碑であります。 比島戦没者慰霊会は比日親善はもとより世界恒久平和を祈願し、毎年比日合同慰霊祭をこの英霊追悼碑で執り行っております。 比日両国の過去の恩讐を越えて謹んで哀悼の意を表するものであります。


慰霊碑情報

建立者:バギオ市, バギオライオンズクラブ, フィリピン慰霊碑建立協賛会

施工日:1973年2月11日

所在:バギオ市ミリタリー・カットオフ地区(Military Cut-Off, Baguio)

座標:16°24’17.4″N 120°35’50.4″E



【内部リンク】

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