倒壊し埋設処理された「第二十六師団戦没者慰霊碑」(フィリピン・2016年撮影)
2023年頃消失した「第一師団戦没者英霊之碑」(フィリピン・2026年撮影)
草が生い茂る「世界慰霊平和公園の碑」(フィリピン・2022年撮影)
第五十五師団ペグー(バゴウ)慰霊碑(ビルマ ペグー・2019年撮影)
招魂之碑(ビルマ ミイトキーナ・2019年撮影)

はじめに

 戦後 80 年が経過しようとしており、慰霊碑建立の関係者や現地への参拝者が著しく減少している中で慰霊碑の破損や老朽化、特に継続して通っているフィリピンでは慰霊碑の消失を目の当たりにしました。

そして慰霊碑を建立した戦友会・遺族会の多くが解散しつつあり、ご遺族の方々や有志の若い世代が現地を足を運ぶ為の受け皿が大変少なくなっています。加えて管理が行き届かず放置され、これまで埋設処理または消失してしまった碑も多くあります。

しかし海外に点在する慰霊碑の多くは、現地の方々のご理解とご厚意により管理されており、日本からの参拝者がいなくなってしまうと、現地の方々にとってそれらを維持する必要があるでしょうか。

未だにご遺骨が現地に残されたままであり、その地に建立された慰霊碑は亡くなられた方々の墓標とも言え、これを守り先人達を弔い慰めることは、今日を生きる私たちのすべきことと思います。

そのため、まずはご遺族や有志の方々が現地へ無事に参拝ができるよう、そして若い世代を中心に日本から遠く離れた異国の地で戦いがあった史実と慰霊碑の存在を知って貰いたく活動を継続しております。

活動内容

▷ 慰霊碑への訪問手段の掲載

 これまでに参拝した戦没者慰霊碑の位置情報および現地まで公共交通機関を利用した訪問手段を当ページへ掲載し、誰でも参拝ができるように情報発信を行なっています。また渡航のハードルを下げ参拝者を増やすべく、慰霊巡拝の様子をSNSへ投稿しています。

▷ フィリピンに建立された慰霊碑維持への参画

 国外の戦没者慰霊碑の多くは地元住民の協力とご厚意によって維持されており、何度も訪れているフィリピン方面では今後も慰霊碑を管理していただけるように慰霊碑をお守りくださる方々との交流を続け、管理費用をお渡ししています。

▷ 冊子執筆

 慰霊碑への訪問手段を掲載したガイドブック「戦没者慰霊碑巡り フィリピン・レイテ島」を2020年、「同 ルソン島」を2021年を頒布しており、『この1冊があれば慰霊碑を巡ることができる』『これほどレイテを近くに感じることはなかった』等コメントを頂きました。また、2022年および2024年慰霊巡拝をまとめた冊子「慰霊巡拝紀行」もネットショップにて頒布しております。

▷ YOUTUBEへの動画投稿

 2024年8月より、フィリピン慰霊巡拝にて撮影した動画の投稿を開始致しました。慰霊巡拝の様子やドローンでの空撮映像を収録しておりますので、よろしければご覧ください。

活動を始めた経緯

 活動のきっかけは、2014 年 フィリピン・レイテ島訪問、2015 年 8 月 15 日タイ・チェ ンマイで催行された戦没者慰霊祭への参加でした。

 レイテ島へはボランティアを目的としていましたが、その時 初めて海外に建立された慰霊碑へ参拝しました。子供の頃から歴史に関心はありましたが『70年前の戦争』がどこか遠い時代の出来事の様に感じていました。しかし実際に慰霊碑を訪れ碑を目の前にしてすぐ、その物言わぬ碑が『この場所で大勢の将兵が戦争によって亡くなった』証明であり、史料に書かれていた場所に今 自分がいて、故郷から遠く離れたこの南の島で大勢の先輩方が亡くなったのだと、戦争という過去の史実を初めて実感しました。すると無性に『この地で亡くなられた方々のために何かしたい』と思うようになりましたが、現地での滞在は終わり、またいづれとレイテ島を離れました。

 そして翌2015年8月15日、タイ国チェンマイで催行された戦没者慰霊祭へ参列した際、参列者の一人が「タイへの観光客は多いが慰霊碑を訪問する人はごく僅か」「国境沿いに慰霊碑がいくつかあるので訪れて欲しい」とお話し下さり、自分がこれまで慰霊碑の存在を知らなかった様に殆どの人に認知されず、参拝の選択肢すら無い。亡くなられた方々を忘れてしまう事が非常に寂しく感じ、『参拝者が1人増えて亡くなられた方々にとって少しでも慰めになれば、そして現地から情報を発信し存在を知ってもらおう』と翌年からライフワークとして慰霊巡拝と決意し、現在に至ります。

メディア掲載

□ 2021年7月6日 「首都圏ネットワーク」NHK

□ 2021年8月15日 「あの戦争を実感できるか:広角多角」読売新聞(https://www.yomiuri.co.jp/column/wideangle/20210816-OYT8T50003/

□ 2021年8月20日 「海外の戦没者慰霊碑、身近に」毎日新聞(https://mainichi.jp/articles/20210820/ddl/k13/040/017000c

□ 2023年7月1日 「よみうり寸評」読売新聞

講演会

□ 2022年4月30日 徳島県遺族会役員等研修会 特別講演として登壇

講演「戦没者慰霊碑巡り フィリピン レイテ島・ルソン島」
会場の様子

写真展示

来歴

2014年
  4月 災害ボランティアで初めてフィリピン・レイテ島へ訪れ、海外建立の戦没者慰霊碑の存在を知る

2015年
  8月 タイ国チェンマイにて執り行われた戦没者慰霊祭へ参列、泰緬国境の戦没者慰霊碑へ参拝

2016年
  6月 フィリピン・レイテ島での調査(5ヶ月間)
     個人ブログにて慰霊碑の情報発信を開始
  8月 レイテ島の戦跡や慰霊碑に関して投稿すべく、Facebookページ「レイテ島戦没者慰霊碑巡り」解説
  12月 フィリピン・レイテ島慰霊巡拝(1ヶ月間)

2017年
  12月 フィリピン・レイテ島慰霊巡拝(1ヶ月間)

2018年
  4月 当ウェブサイト「戦没者慰霊碑巡り」を開設し、慰霊碑への訪問手段や巡拝記の投稿を開始する
     フィリピン以外にも活動範囲を広げるべく、新たにFacebookページ「戦没者慰霊碑巡り」およびX(旧Twitter)アカウント開設
  12月 フィリピン慰霊巡拝(1ヶ月間)

2019年
  1月 タイおよびビルマ慰霊巡拝(4週間)
  11月 台湾慰霊巡拝(10日間)フィリピン慰霊巡拝(2ヶ月間/セブ島・レイテ島・ルソン島)

2021年
  7月6日 メディア掲載 「首都圏ネットワーク」NHK
  8月15日 メディア掲載「あの戦争を実感できるか:広角多角」読売新聞
  8月20日 メディア掲載「海外の戦没者慰霊碑、身近に」毎日新聞

2022年
  4月30日 徳島県遺族会役員等研修会にて登壇
  10月 新型コロナウイルスの流行後、約2年半年振りとなるフィリピン慰霊巡拝(2ヶ月間/ルソン島・レイテ島)

2023年
  7月1日 メディア掲載「よみうり寸評」読売新聞
  11月 台湾・バシー海峡慰霊巡拝(4日間)

2024年
  5月 フィリピン慰霊巡拝(1ヶ月間)